2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧
フヨウ属はアオイ科の植物群で、北半球各地に分布し、1年草、2年草、多年草の草本から、低木、高木まで実に様々な植物が含まれている。「木」と「草」は違うというのが私たちの常識だが、フヨウ属には草も木も含まれている。木(木本、woody plant)は地上に…
ウリ科のスイカの英名はWatermelon、原産地は南アフリカ(カラハリ砂漠)。子供の頃は家の裏の畑に転がっていて、珍しくはなかったのだが、買って食べる果物になってしまった。そのため、ビニールハウスではなく、畑のスイカなど見なくなって久しかった。そ…
ハマゴウの見事な江戸紫の霞んだ色と、同じように霞んだ緑の調和は私の好きな色合いで、今の季節にしっくり合う。とはいえ、草のように見える木は天に向かう気配がなく、地を這うようで何ともだらしない。色合いは良くても、形態はいただけないというのが私…
去年は果樹に被害を及ぼす「果樹カメムシ類」が大量発生し、その中にはチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの三種類が含まれていて、地球温暖化がその主な理由でした。湾岸地域では今年も既にカメムシたちの姿を見ているのですが、去年…
小学何年生の時か忘れたが、一度遠足で林泉寺を訪れたことがある。その後、何回か林泉寺を訪れたが、謙信ゆかりのものと言えば、「第一義」の山額のみ。それは兎も角、「春日山(かすがさん)」、「林泉寺(りんせんじ)」とはどのような名前なのか。かつて…
コムラサキは花より紫色の実が主人公となるが、ナンテンも花より赤い実が人々に好まれる。冬の天候でいつも気になるのは故郷の雪模様で、子供の頃は大雪を何度も経験した。雪は確かに生活を苦しめたが、子供には天からの心躍る贈り物だった。そんな雪景色の…
コムラサキは蝶ではなく、シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。北海道や青森を除く日本各地の山野に分布し、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなる「木」という印象だが…
ギリシャ人はフェニキアの文字からギリシャ文字をつくり出し、彼らの学問や文学を巧みに表現し、丁寧に記録しました。ソクラテスやプラトンは対話や議論を通じて知識を得ること、知識を述べることを重視しましたが、プラトンは彼の学園アカデメイアに研究教…
リアトリス(Liatris spicata)はキク科の多年草で、和名は「麒麟菊(キリンギク)」。原産地は北アメリカで、寒さや暑さに強く、育てやすい植物。いくつかの種類があり、初夏から穂状~球状の花を咲かせます。よく見るのが穂状の花を咲かせるスピカータ(画…
ワスレグサ(忘れ草、Hemerocallis fulva)は別名の「カンゾウ(萱草)」の方が知られているようである。ニッコウキスゲなどのゼンテイカもユウスゲもワスレグサに含まれる。ワスレグサは花が一日限りで終わると考えられたためで、英語でもDaylily。ワスレグ…
タケニグサ(竹似草、あるいは竹煮草)はケシ科の多年草で、日当たりのよい草原、空地などによく見られる雑草。湾岸地域でも歩道のあちこちに繁茂している。その名は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなり、細工…
白い花のマンデビラ・ラクサ(Mandevilla laxa)はチリアン・ジャスミンとしても知られていて、夏に香りの強い花を咲かせるつる性の植物です。「チリのジャスミン」と呼ばれていても、本物のジャスミンではありません。マンデビラ属を含むキョウチクトウ科は…
ネムノキ(合歓木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夏に羽状の複葉を広げ、夕方になるとその葉を閉じ、その姿が眠りにつくように見え、そこからネムノキの名前がつきました。6月から7月に、淡紅色の長い雄しべをもつ花が20ほど集まって咲きます。子供の頃…
スズランノキ、ニッサボクと並んでニシキギは世界三大紅葉樹の一つで、日本の庭の名脇役となってきた。その紅葉の美しさから「錦木」と名づけられたが、ニシキギには枝の節の間にコルク質の「翼」があり、これを刃物や矢になぞらえて、「剃刀の木」、「鬼の…
何とも記述的な名前なのがホコガタハナガサ(矛形花笠)で、クマツヅラ科クマツヅラ属の栽培品種。学名のVerbena hastata(バーベナ・ハスタータ)をそのまま使う場合が増えている。ホコガタハナガサはアメリカ原産で、2年草又は多年草で、葉は長さ9~15㎝で…
「夾竹桃」とは奇怪な字面だが、この中国名は「竹のような細長い葉と桃に似た花を持つ」ことに由来するようだ。キョウチクトウの在来種はインド原産で、中国経由で江戸時代に日本へ入ったらしい。別種にヨーロッパ原産のセイヨウキョウチクトウがあるが、キ…
フランネルフラワー(英名「Flannel flower」)の「フランネル」は、花、葉、茎に細かい毛があり、それがフランネル(軽くて柔らかい毛織物のこと)のようであることに由来する。花や葉がフエルトのように柔らかく、優しい色合いのフランネルフラワーはセリ…
クチナシは梅雨どきに大型で純白の6弁花を咲かせて強い香りを漂わせる。花は一重のものだけでなく、八重咲のものもある。ヤマブキやドクダミにも八重咲きのものがあるから、珍しいことではないが、二つは一体何が違うのか。 八重咲きは花びらの内側のおしべ…
クチナシの花が雨に濡れ、黄色くなり出している。クチナシはアカネ科クチナシ属の常緑低木。クチナシは実が熟しても裂開せず、そこからし「口無し」の名がついた。花期は6-7月で、葉腋から短い柄を出し、一個ずつ花を咲かせる。花弁は基部が筒状で、先は大き…
ハマナス(浜茄子、浜梨)は日本に自生するバラで、春と秋に二度咲くのが普通です。古来より日本に自生するバラの原種の一つがハマナスで、西洋に渡り、私たちが現在楽しんでいる近代的なバラの園芸種の誕生に大きく貢献しました。 子供の頃、ハマナスは砂浜…
私はササグモなど知らなかった。カンナのトロピカル・ゴールドの葉の上に見つけたのがこのササグモ。一般的に知られることが少ないクモのようだが、生態系では重要な役割を果たしているらしい。ササグモは多くの昆虫を捕食し、生態バランスを保つ手助けをし…
公園や歩道のサルスベリはまだ花をつけていないが、一足早く咲き出しているのが白い花をつけるナチェズ(Lagerstroemia ‘Natchez’)。ミソハギ科のサルスベリ・ナチェズは中国原産のサルスベリと日本原産のヤクシマサルスベリが交雑されて生まれた品種。カビ…
カンナは熱帯原産の植物で暑さに強く、湾岸地域では今あちこちで咲き出しています。暑い中でカンナは色鮮やかで大輪の花を次々と咲かせます。今のカンナはインディカ種(Canna indica)を中心に改良された園芸品種で、俳句の季語は秋。その和名には「ダンド…
3年前の夏に初めて見たシオヤアブを久し振りにまた見ることができた。偶然の出会いだったのだが、なんだかとても懐かしい気持ちになってしまった。 シオヤアブ(塩屋虻)はハエ目(双翅目)ムシヒキアブ科の昆虫。「塩屋虻」という名前は、成虫のオスの腹の…
6月後半になって、すっかり夏らしくなっています。近くの公園では既にヒマワリの花が開き、夏の到来を警告しているかのようです。 ヒマワリは北アメリカが原産で、コロンブスのアメリカ大陸発見以前には、他の大陸にはなかった植物の一つ。ヒマワリがヨーロ…
ヨーロッパでは長い間「マドンナリリー」を「白いユリ」と呼んでいました。日本から「鉄砲ユリ」がヨーロッパに渡ると、白いテッポウユリとそれまでの「白いユリ」を区別するために、新しい白いユリが「マドンナリリー」と呼ばれるようになりました。「マド…
ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)はペルー原産の草丈5㎝程のクマツヅラ科の多年草。地面を這うように広がり、グラウンドカバーとしてよく使われています。花は5月頃から咲き始め、9月頃まで咲き続けます。茎が地面を這うように伸びて広がり、各節から根を出…
キリ(桐)は私の故郷のほぼどの家の庭にもあったほどで、とてもありふれた木だった。大木はなく、ほとんどが桐ダンス用のもので、娘の嫁入り道具だと聞かされていた。桐の花は匂いが強く、子供の私は好きになれなかったが、桐の木は軽く、柔らかく、桐の下…
道端や空き地に生える北米原産で、ナス科の帰化植物ワルナスビ(悪茄子)は白色か淡紫色の花弁に黄色い雄蕊がアクセントになった小さな花をつける。しかし、これが中々の曲者で、不用意に抜き取ろうとして掴むと、茎だけでなく、葉の両面に生える固くて鋭い…
「西洋…」という名前の植物はとても多く、どれも西洋由来であることを示しています。セイヨウニンジンボクもその一つで、シソ科ハマゴウ属の植物です。その原産地は南ヨーロッパから中央アジア。ハーブとしても用いられてきました。爽やかなスミレ色や白色の…