タケニグサ(竹似草、あるいは竹煮草)はケシ科の多年草で、日当たりのよい草原、空地などによく見られる雑草。湾岸地域でも歩道のあちこちに繁茂している。その名は茎が中空で竹に似ているから「竹似草」、あるいは竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなり、細工しやすくなることから「竹煮草」。
タケニグサは先駆植物の一つで、日当たりのよい都会の荒れ地から山地の崩壊地や伐採跡まで広い範囲に生え、高さ1-2mになる大型の多年草。茎を切ると濃い橙黄色の汁が出るが、この汁には有毒なプロトピンやケレリトリンなどのアルカロイドが含まれ、肌につくとかぶれ、誤食すると嘔吐や昏睡、脈拍や体温低下、呼吸麻痺などを引き起こす。
その葉は長い柄があって大きく、キクやイチジクの葉を思わせる。葉身は長さ20-40cm、幅15-30cmの広卵形で掌状に5-7中裂して裂片は粗い鋸歯があり、先は鈍く基部はやや心形、裏面は白色で縮毛が密生する(画像)。
茎の先に大きな円錐花序をつくり、おびただしい数の花をつける(画像)。萼片は2個で白色、長さ約1cmの倒披針形で、開花直前に散り落ち、花弁はない。雄しべは多数あり、花糸は糸状、葯は黄白色で長さ3-4mmの線形。花柱は短い(画像)。
*タケニグサの別名は「チャンバギク」で、日本のものでありながら日本離れした姿であることから、「チャンバ(安南国=現在のベトナム)の菊」と呼ばれ、また秋になると莢に入った実ができ、その中の種子が秋風によって動き、さやさやと音を立てることから「ササヤキグサ」とも呼ばれてきた。


