6月後半になって、すっかり夏らしくなっています。近くの公園では既にヒマワリの花が開き、夏の到来を警告しているかのようです。
ヒマワリは北アメリカが原産で、コロンブスのアメリカ大陸発見以前には、他の大陸にはなかった植物の一つ。ヒマワリがヨーロッパへ運ばれたのは1564~1571年の間で、スペインの王立植物園で最初に花を咲かせました。
ヒマワリは小さな花が集まって一つの花のようになっていて、タンポポの花によく似ています。 大きなヒマワリの花は小さな花が1500個も集まったものです。 ヒマワリの花は外側に大きな花びら(花弁)があり、内側には丸い粒が見えます(画像)。この粒が実は小さな花(管状花)なのです。筒のような部分が花びらで、成長するにつれて茶色のおしべが筒から現れ、やがて、おしべの上に、黄色の先が丸くなっためしべが現れます。筒の下には子房もあり、種もできます。小さい花は外側から順に咲き出すため、花全体を眺めると外側はめしべの黄色、少し内側はおしべの茶色が目立ちます。
こうして、一つの花に見えるヒマワリは外側が黄色い大きな花弁をもつ舌状花、内側には小さい筒状花がびっしり並んだ花の集合体であることがわかります。筒状花は外側から内側へ数週間かけて順番に開花するため、昆虫が花を訪れて受粉をする確率が高くなり、種もたくさんできるようになります。ヒマワリの筒状花一つに一個の種ができますから、ヒマワリ一本で作られる種の数は1500~3000個ほどになります。つまり、一粒の種から1500~3000個の種が収穫されるのです。
*筒状花と舌状花のまとめ
キク科のコスモスやヒマワリは筒状花(つつじょうか)と舌状花(ぜつじょうか)の二種類の花からできていると述べました。タンポポの花は舌状花だけから、アザミの花は筒状花だけからできています。キク科の花は一般的には舌状花と筒状花という小花が集まって頭花を作っています。いずれの小花も両性花で、花粉を出す雄しべと雌しべ(受粉をする柱頭)を持っています。花びらと呼ばれている舌状花も一個の完全な花です。キク科の中には、舌状花だけのもの、筒状花だけのものがあります。これらをまとめてみると、
一般的な頭花:ヤマシロギク、ノコンギクなど、
筒状花だけ:アザミ、イソギクなど、
となります。


