2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

妙高の児雷也

妙高市の祭に児雷也は登場していたのでしょうか。青森のねぶた祭や盛岡の祭には山車の演題として児雷也が何度も登場してきましたが、私の記憶の中の妙高の祭には児雷也はいませんでした。でも、近年の観光パンフレットには苗名滝(地震滝)に児雷也の洞窟が…

マルバツユクサの花色

マルバツユクサ(丸葉露草)はツユクサ科のツユクサ属で、ツユクサと同属ですが、ツユクサではありません。マルバツユクサは通常の結実のほか、地下に閉じたままの花をつけ、自家受精して種子を作る特殊な形態をもつことで知られています。地下でできた実も…

白花トキワマンサクの秋の花

白花トキワマンサクは通常春(4〜5月)に一斉に開花する常緑低木ですが、環境や剪定のタイミングで「二度咲き」することがあります。今湾岸地域ではこの二度咲きのトキワマンサクの白い花をあちこちで見ることができます。秋(9〜10月)の花は「返り咲き」や…

ヤノネボンテンカの花

ヤノネボンテンカ(Pavonia hastata)は「矢の根梵天花」と書くが、アオイ科ヤノネボンテンカ属の常緑低木。南アメリカ原産で、渡来時期は不明。園芸種が逸出し、野生化し、帰化している。名の由来は、「矢尻型の葉を持つボンテンカ」であることから。「梵天…

白いアズチグモ再見

アズチグモ(安土蜘蛛)はクモ目カニグモ科に属するクモで、「カニグモ」という名前の通り、腹部が扁平で、カニのようなシルエットをもつ(画像)。既に9月17日に記したのだが、昨日アズチグモに再見できた。今回はその姿をゆっくり眺めることができた。カニ…

故郷妙高の超人像:浮世絵や歌舞伎による芸能化

町興しなどで使われる過去の超人たちは容姿や行動が具体化されていないと話にならない。その超人たちを皆のスターにする典型的手段が芸能を通じてのデフォルメである。かつては能、歌舞伎などが主要な芸能で、それらを絵画によって伝達する浮世絵も含め、様…

秋のエビズルの実

植物の実があちこちで目立つようになり、実りの秋がやって来ている。ノブドウやエビヅル、アオツヅラフジ、カラスウリ、クコなど、野外で様々な植物の実を見ることができる。ノブドウ、エビズル、ヤマブドウ等のブドウ科の植物は花が目立たず、葉だけが茂っ…

白い花のハギ

シロバナヤマブキは白色の花をつけるヤマブキですが、やはり白色の花をつけるシロヤマブキはヤマブキではありません。ヤマハギの花の色は赤紫色ですが、白い色の花をつけるヤマハギがあり、シロバナヤマハギ(白花山萩)と呼ばれています(画像)。シロバナ…

秋のヤマハギの花

萩の花も秋の七草の一つとして愛でられてきました。湾岸地域にはマメ科のヤマハギ(山萩)やミヤギノハギ(宮城野萩)が多く、いずれも今花をつけています。ヤマハギはハギ属の一つで、日本各地の山野に生える落葉半低木。秋の七草の一つとして古くから日本…

ハナスベリヒユの花

子供の頃、小学校の夏の校庭に雑草のスベリヒユが一面に生い茂っていたのをよく憶えています。そのスベリヒユに似ているのがハナスベリヒユで、スベリヒユ科スベリヒユ属の多年草。園芸では「ポーチュラカ」と呼ばれているようです。ハナスベリヒユはスベリ…

故郷妙高の修験道と修那羅大天武:修那羅大天武とは誰なのか?

今流行りのAIに修験道の山伏は僧なのか、神主なのか尋ねてみると、僧でも神主でもなく、修験者だと言う。だが、「修験者とは何か、誰か」は時代や地域によって変わり、仏教と神道の両方に関わる両義的なアイデンティティを持っているとのこと。つまり、曖昧…

ヌルデの花と実

ヌルデは身近な山野に生え、ウルシに近いが、かぶれる成分をほとんど含んでいない。夏から秋にかけて花が咲き、秋には美しく紅葉する。先駆樹種の一つで、伐採跡地などにいち早く幼木を芽生えさせる。 葉にできる虫こぶは「五倍子」と呼ばれ、薬用・染料とし…

オオベンケイソウの花

オオベンケイソウは、中国東北部から朝鮮半島が原産のベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多肉植物(宿根草)。オオベンケイソウは大型の散形花序で、花が美しい。 今年もまたオオベンケイソウの花が咲き出し、たくさんの昆虫が集まっている。和名の「ベ…

9月のハクチョウゲの花

湾岸地域でよく見かけるハクチョウゲ(白丁花)の花が咲いている。ハクチョウゲは初夏に葉の上に雪が降ったように小さな花を無数に咲かせるのだが、秋でも花をつける場合があるようだ。花は一重で、直径は1cmほどと小さく、花の先端は5つに裂け、外側には淡…

ピンクノウゼンカズラの花

秋が始まった中でノウゼンカズラ科のピンクノウゼンカズラ(桃色凌霄花、Podranea ricasoliana)の花も咲いている。ピンクノウゼンカズラは中国、熱帯アメリカ原産の非耐寒性蔓性植物で、薄桃色の花を咲かせる。ノウゼンカズラとは随分と違う風情がある。ピ…

元気が続くトレニアの花

トレニアは東南アジアからアフリカの広い地域に分布しています。トレニアの葉は鮮やかな緑色です。唇の形をした花は独特で、初夏から晩秋までの長い期間楽しむことができます。別名の「ハナウリクサ(花瓜草)」は果実の形をマクワウリに喩えた命名です。ま…

チャバネセセリと花たち

セセリチョウ科のチャバネセセリ(茶羽挵)、オオチャバネセセリはセセリチョウ科に分類され、東アジアからオセアニアにかけての暖地に分布します。日本でもあちこちでたくさん見ることができます。暑い夏でも元気に飛び廻り、秋になっても健在です。 まだ花…

ペンタスの花色

ペンタスは、アフリカ大陸の東部やアラビア半島南部、マダガスカルなどの熱帯が原産で、本来は多年草ですが、冬越しが難しいため日本では多くの場合一年草として扱われます。ペンタスは五つの花弁を持ち、星型の愛らしい花をつけます。色はピンクや赤、白、…

セイヨウニンジンボクとクマンバチ

セイヨウニンジンボクの花がまだ咲いている。シソ科ハマゴウ属のセイヨウニンジンボクはハマゴウより魅力的な花をつける。原産地は南ヨーロッパから中央アジアで、花は淡い青から紫色の優しい色合いをもっている(画像)。日本には明治時代に渡来し、葉がチ…

秋のザクロの実

ザクロ(石榴、柘榴、若榴)はミソハギ科ザクロ属の落葉木で、その果実もザクロです。ザクロは中東から中国を経て日本に渡ってきました。湾岸地域の公園などにもよく植えられています。果期は秋(9~10月)。果皮は厚く、秋に熟すと、赤く硬い外皮が不規則に…

秋のアップルミントの花

アップルミントはミントの一つで、地中海沿岸から西アジアに分布し、シソ科ハッカ属のハーブです。草丈は20~100cmほどに生長し、葉が丸いことから、和名は「マルバハッカ(丸葉薄荷)」。リンゴとミントを混ぜあわせたような甘い香りが特徴。花は白か淡いピ…

秋の青いアオゲイトウ

ヒユ科のアオゲイトウ(青鶏頭)は空き地、荒地、道端、畑などに生育し、駆除が厄介な植物。茎は高さ1〜2メートルになり、直立する。茎には縦線がくっきりと出る。葉は細長いひし形で、先が鋭く、互生につく。夏から秋にかけて、緑色の太く短い花穂をつける…

シダレエンジュの秋の実

シダレエンジュ(枝垂槐)はマメ科クララ属の落葉高木。別名はリュウノツメエンジュ(竜爪槐)。中国では庭木として珍重され、古来より出世の樹木と考えられていました。シダレエンジュはエンジュの枝垂れ品種で、枝先に複総状花序を出して、マメ科に特有の…

9月末のネムノキの花

「ネムノキ」という名前は、夜になると葉が合わさり、眠るように見えることに由来し、漢字名の「合歓木」は中国でネムノキが夫婦円満の象徴とされていることに由来します。合歓木の正しい読み方は「ねむのき」、「ごうかんぼく」、「ねぶのき」です。合歓木…

アベリアの花に集まるホシホウジャクとオオスカシバ

ホシホウジャクは昼行性の蛾で、スズメガの仲間です。「ホウジャク(蜂雀)」は容姿が蜂に似ていることからつけられました。スズメガの成虫は三角形の翅をもち、これをすばやく羽ばたかせて、種類によっては時速50km以上の高速で移動します。ホバリングする…

アベリアの花

スイカズラ科ツクバネウツギ属のアベリア(Abelia)は湾岸地域の公園や道路沿いに数多く植栽されていて、私の今の日常風景をつくる基本的な構成要素になっています。 アベリアは中国原産のシナツクバネウツギと同じ中国を原産とするアベリアユニフローラの交…

秋のキツネノマゴの花

暑い夏が終わろうとしているが、キツネノマゴ(狐の孫)の花が咲き始めている。一瞬爽やかな気分になったのだが、老眼の焦点を絞ることがうまくできず、老いの寂しい気分も襲ってくる。花の根元に密集している細いガクのような穂が、狐の尻尾に似ているとい…

アオイ科の花4:綿の道

綿は植物の「ワタ」から採取される繊維のことだが、種子の表皮細胞が種子の周りを包み込むように成長してできるもので、「綿花」とも呼ばれている。綿の繊維は平たく、天然の撚り(より)があり、紡いで糸にすると繊維同士がしっかりと絡み合う。また、繊維…

アオイ科の花3:スイフヨウの花色変化

既述のヤノネボンテンカ、オクラ、ハマボウの仲間の一つがスイフヨウ。スイフヨウの花色の変化は様々な色を持つ花弁ではなく、一つの花弁の色が時刻に応じて変わること。実際、午前から午後へとスイフヨウの花色が赤くなっていくのを確かめることができます…

アオイ科の花2:オクラとハマボウの花

アオイ科のオクラ(秋葵、英名okra)の原産地はアフリカ北東部。画像のようなレモンイエローの花がオクラの花で、咲いたらその日のうちに萎んでしまう一日花。 ハマボウはアオイ科フヨウ属の落葉低木。浜に生える朴の木(ほおのき)から「はまぼう」になり、…