2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
関東地方では近年アカボシゴマダラが増えています。1990年代に関東地方に出現し、あっという間にその勢力を拡大しました。これに近い在来種がゴマダラチョウですが、こちらは白と黒だけの純和風の地味な装いです。それに対して、アカボシゴマダラの夏型は華…
ハンノキは広範囲に分布するカバノキ科の落葉高木。湾岸地域で見るのは珍しい。日本以外ではアジア大陸東北部や朝鮮半島に自生する。水に埋もれても育つため、水田の脇に並木状に植えて稲掛け(はざ架け)の梁に使ったことから「ハリノキ(梁の木)」と呼ば…
スズメガ科のホウジャク亜科の蛾の仲間がオオスカシバ、ホシホウジャク、そして、クロスキバホウジャクです。ホシホウジャクとオオスカシバは共に昼行性の蛾で、巧みなホバリングで知られ、ホバリングしながら、樹液や花の蜜を吸引します。画像はペンタスの…
越後出身の会津八一(1881-1956)、小川未明(1882-1961)、相馬御風(1883-1950)はそれぞれ1902年、1901年、1902年に東京専門学校(1902年に早稲田大学と改称)に入学し、いずれも坪内逍遥に学び、英文学科を卒業している(未明と御風は同じ旧制高田中…
ギョリュウ(御柳)は中国原産のタマリクス・シネンシス(Tamarix chinensis)を指していましたが、木が大きくなるためか、最近は花がピンクのラモシッシマ(T. ramosissima)の「ピンクカスケード」がギョリュウと呼ばれています。また、「タマリクス」はヨ…
キョウチクトウ(夾竹桃)はキョウチクトウ科の常緑小高木。花期6~9月で、まだあちこちで花を見ることができます。原産地はインド。和名は葉が細長いところが竹に似ていて、花は桃に似ていることに由来します。キョウチクトウは暑さを好み、一重の花は基…
湾岸地域は運河だらけ、橋だらけの地域。豊洲運河、辰巳運河、東雲運河、東雲北運河、東雲東運河が交わる場所には豊洲運河の水上派出所まであります。それら運河には多くの水鳥が見られます。カルガモは全長60cmほどで、カモの仲間です。全体に黒褐色で、顔…
アゲラタムの和名は「カッコウアザミ」、「オオカッコウアザミ」で、ブルーハワイはカッコウアザミの商品名。アゲラタムはキク科のカッコウアザミ属の植物。アゲラタムは、メキシコやペルーなどの熱帯アメリカ原産で、原産地では宿根草だが、耐寒性がないの…
一昨日キュウリについて記した。子供の頃の私は野菜が総じて嫌いだった。ホウレンソウもトマトも大嫌いで、唯一好きだったのがキュウリ。当時はどれも季節の野菜で、年中食べることなどできなかった。 キュウリもトマトも夏の野菜で、冬になると手に入る野菜…
ムクロジ科のフウセンカズラ(風船葛、Cardiospermum halicacabum)は「花を観賞するより、風船のような実を見て楽しむ」と説明されているが、その変わった名前もそこから納得できる。フウセンカズラは絡みつきながら繁茂する蔓性の一年草。夏に白色の小さな…
マリーゴールドはキク科マンジュギク属のうち草花として栽培される植物の総称と言われています。マリーゴールドは鮮やかな黄色や橙色の花を長期間(4~10月)次々と咲かせます。とてもポピュラーな花で、あちこちで見ることができます。 マリーゴールドはメ…
カクレミノ(隠蓑)はウコギ科カクレミノ属の常緑亜高木。原産地は日本をはじめとする東アジアで、庭木などによく用いられていて、公園でもよく見かけます。花期は6-8月で、両性花だけつく花序と、雄花と両性花が混じる花序があります。果実は長さ1cmくらい…
ヤツデの光沢のある葉には長い柄と深い裂け目がある。葉の直径は20~40cmと大きく、そのため「天狗の団扇(うちわ)」という別名がある。日陰でもより多くの光を取り入れるため、ヤツデの葉は重ならないように配列されている。「八つ手」と言っても、葉の裂…
「トラノオ(虎の尾)」という表現は植物の花穂が細長く立ち上がる様子を虎の尾に見立てた比喩で、植物の命名における典型的な「形状比喩」の一例。「花」、「金」という接頭語は美しさや色彩、価値を象徴し、植物の形状を強調する役割を果たしている。 ハナ…
ムラサキセンダイハギの英語名はBlue Wild Indigo、Blue False Indigo。一方、マメ科センダイハギ属の多年草センダイハギ(仙台萩、千代萩、先代萩)は本州中部(茨城、富山)以北から、朝鮮半島、中国、シベリア、北アメリカ北部まで広い地域に自生する。名…
小学生の頃の夏休みの日課の一つが早朝の「野菜もぎ」で、近くの野菜畑に籠をもって野菜採りに行っていた。早朝は涼しく、露が降りて、草は濡れていて、注意が必要だった。キュウリやナス、そしてスイカも少しは濡れていた。 それから随分経つが、近くの公園…
「サウスアフリカンゲラニウム」、あるいは「イングランドバイオレット」と呼ばれるフウロソウ科のペラルゴニウム・シドイデス(Pelargonium sidoides)は南アフリカに自生しています。最近園芸種として人気が高まっています。 濃い紫ピンクの混じった小さな…
クマツヅラ科のヤナギハナガサ(柳花笠)の別名は「サンジャクバーベナ」。バーベナは「ビジョザクラ(美女桜)」とも呼ばれる。バーベナは250も種類があり、その中のバーベナ・メテオールシャワーはヤナギハナガサの欠点をカバーした品種(画像)。 ヤナギ…
ハマユウ(浜木綿、Crinum asiaticum)はヒガンバナ科の多年草。ハマユウの「ユウ」は、白い花弁が神事で用いられる木綿(ゆう)のように白く垂れることからきている。私のような団塊世代は「浜木綿子」を思い出してしまう。開花時期は7月~9月。ハマユウは…
まだ暑い日が続いているが、夏の終わりを暗示するかのようにムクゲの花が少なくなってきた。だが、八重のムクゲはまだ元気である。 「木」と「草」は違うというのが私たちの常識だが、フヨウ属には草も木も含まれている。木(木本、woody plant)は地上に出…
種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意味で、中国原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の園芸品種がスイフヨウ(酔芙蓉)。フヨウは一重ですが、その園芸種には八重のものがあり、スイフヨウも八重です。「酔芙蓉」は開花直後の白色が次第…
スイフヨウの花色は一つの花弁の色が時刻に応じて変化していきます。実際、午前から午後へとスイフヨウの花色が赤くなっていくのを確かめることができます。午前中は白かった花色が、午後になるとピンク色に変わり、次第にその色が濃くなっていきます。 スイ…
残暑の厳しい中、カリンの木を見上げると、青い実の隣にアカボシゴマダラ(Hestina assimilis)が見える。この暑さの中でチョウも大変だなどと思いながら、緑の中のアカボシゴマダラに見入ってしまう。 タテハチョウ科のゴマダラチョウは黒色地に白色の斑紋…
ゴーヤの正式の名前は「ツルレイシ(蔓茘枝、蔓荔枝)」で、ウリ科の植物とその実のこと。私たちは未熟な緑色の実を野菜として食べている。また、「ニガウリ(苦瓜)」、「ゴーヤー」とも呼ばれている。 「ツルレイシ」という名前はイボに覆われた実の外観と…
(1)御風の転向:『野を歩む者』と軍人との書簡など 相馬御風は島村抱月の『早稲田文学』で自然主義評論家としてスタートし、25歳で三木露風、野口雨情らと「早稲田詩社」で口語自由詩を目指す。早稲田大学の校歌「都の西北」を作詞。1916(大正5)年御風34…
キク科のヒメムカシヨモギ(Erigeron canadensis)は北アメリカ原産の帰化植物で、日本には明治時代に渡来し、その後、日本中に急速に広まりました。オオアレチノギクとともに、各地に生育し、高さ2mほどになって群落を形成します。オオアレチノギクよりも…
サンゴジュ(珊瑚樹)はガマズミ科の常緑高木で、開花時期は6月中旬から下旬。花が終わり、実をつけ、今はその実がすっかり赤くなっている。サンゴジュは湾岸地域に意外に多く、公園などでサンゴジュを見ることができる。 夏から秋に赤く熟す実を海のサンゴ…
ジャノヒゲとノシランの学名を比べてみよう。ジャノヒゲはOphiopogon japonicus、ノシランはOphiopogon jaburanである。「Ophiopogon」は、ギリシャ語の「ophio(蛇)、pogon(ひげ)」からの合成であり、「Ophiopogon」は日本語の「蛇のひげ」を直訳したも…
タテハチョウ科のゴマダラチョウは黒色地に白色の斑紋が散りばめられた翅をもつ大きなタテハチョウ。複眼は橙色で、口吻は黄色。平地から山地まで広く生息し、本州、四国、九州のほぼ全域に分布します。 関東地方では近年アカボシゴマダラが増えています。19…
少し前まであちこちで色々なユリの花を見たが、そのユリの花によく似ているのがワスレグサ。ワスレグサ(忘れ草、Hemerocallis fulva)はワスレグサ属の多年草の一種で、別名の「カンゾウ(萱草)」、「ヘメロカリス」の方がよく知られている。湾岸地域でも…