カクレミノの花と実

 カクレミノ(隠蓑)はウコギ科カクレミノ属の常緑亜高木。原産地は日本をはじめとする東アジアで、庭木などによく用いられていて、公園でもよく見かけます。花期は6-8月で、両性花だけつく花序と、雄花と両性花が混じる花序があります。果実は長さ1cmくらいで先端にめしべの花柱が残り、晩秋に黒紫色に熟します。

 カクレミノは神様へのお供えなど神事に使われてきたが、その特徴が葉の形。既述のように、芽生えたばかりの時は切れ込みのない葉ですが、幼木では深く3~5裂し、ヤツデに似ています。生長するにつれ、切れ込みは浅くなり、全縁の葉と3裂した葉が混ざるようになります。先端につく葉は葉柄が短く、切れ込みが浅いのですが、それより下についている葉の葉柄は長く、上の葉と重ならないようになっています。大きく生長した葉では、全縁で長楕円形の葉ばかりとなります。

 カクレミノの花は6月から8月に咲き、実は長さ1cmくらいで先端に花柱が残り、晩秋に黒紫色に熟します。この熟した実もなかなか趣があります。