八重のムクゲ

 まだ暑い日が続いているが、夏の終わりを暗示するかのようにムクゲの花が少なくなってきた。だが、八重のムクゲはまだ元気である。

 「木」と「草」は違うというのが私たちの常識だが、フヨウ属には草も木も含まれている。木(木本、woody plant)は地上に出ている茎が二次成長で太り続け、草(草本、herb)は地上部分が短期間(一年程)で枯れてしまう、あるいは長持ちしても太り続けることがない植物。多くの植物は木本、草本のいずれかだが、どちらにも入らないものもある(ムクゲは木である)。

 ムクゲの漢字は「木槿、槿」。その別名は「ハチス」。白の一重花に中心が赤い底紅種は「宗丹木槿(そうたんむくげ)」、すべて白い種は「遠州木槿(エンシュウムクゲ)」。早朝の3時頃に開花した花は夕方には萎んでしまう。

 今年も既に十分ムクゲの花を愛でたが、まだ暑さは続く。暑い間はムクゲの花を楽しもうと頑張る自分に気づいて、苦笑いしてしまう。