俳句ではバラ(薔薇)は夏の季語、特に初夏の季語とされています。でも、秋や冬に咲く薔薇も「秋薔薇」、「冬薔薇」と呼ばれ、それぞれ秋と冬の季語になっています。となれば、バラは春を除いていつでも季語として用いることができる訳です。でも、バラを薔薇(そうび)と呼ぶのはどうしてなのでしょうか。
まずは、和語の「ばら」の語源は「茨(いばら)」で、トゲのある低木全般を指す言葉でした。そして、「いばら」の「い」が脱落して「ばら」になりました。一方、薔薇(そうび)の語源は、中国語の「薔薇」の音読みで、もともと「垣根に咲き、風にそよぐ植物」を意味していました。ここに和名と中国名の二重構造の例を見ることができます。
また、初夏から冬までの季語になってきたのは、バラの一季咲きが5月頃で、四季咲き品種が秋や冬にも花をつけるためで、花の咲き方、咲く時期が季語に大きく影響していることがわかります。
画像の薔薇は今咲いているもので、いずれも見事な花姿ですが、句をつくろうとすれば、「秋薔薇」という訳です。そして、「秋薔薇」を「秋バラ」、「秋そうび」のいずれで呼んでも構わない筈です。
妙高の山にも雪が舞い、雪化粧した様子が伝わってきました。木枯らしの中で初雪が舞い、凛と咲く秋の薔薇が際立ちます。画像はバラの花だけですが、雪の妙高の背景を補いながら、冬薔薇を想ってみて下さい。
秋薔薇 傍の山は 雪景色
秋の薔薇 雨はみぞれに 変わりけり
秋バラに 雪がちらつき 彩放つ
秋薔薇 初雪積もり 艶を増す






