タチバナモドキの橙黄色の実とカメムシ

 バラ科タチバナモドキ(橘擬、Pyracantha angustifolia)は中国原産の常緑低木で、既にピラカンサとしても記してきた。タチバナモドキの葉は長さ5〜6cmの狭く長い楕円形で、葉裏に灰白色の毛が密生するのが特徴。春に白い小さな花をつけ、その後の実は緑色で、秋に橙黄色に変わる。タチバナモドキの名前は果実の色や形が扁球形でミカンのようなタチバナに似ていることから。

 タチバナモドキの実は橙黄色、トキワサンザシの実は鮮やかな紅色、タチバナモドキの白い一輪の花はトキワサンザシの複数の花のまとまりとは随分と違っている。画像はタチバナモドキの帰り花(かえりばな、返り花)。忘れた頃に咲くため、「忘れ花」とも言われる。また、「二度咲」、「狂い咲」とも呼ばれ、今も見ることができる。

 さて、タチバナモドキの実にいたのがウシカメムシの幼虫。成虫は体長8~9mmで、肩の辺りが牛の角のようにダイナミックに横に突き出て、なかなか立派である。画像は武者の面を背負ったような姿で、終齢幼虫の画像と思われる(終齢の5齢ではなく、4齢かも知れない)。