赤い実:サンシュユ

 既に何度も書いたのですが、ピラカンサの主な品種にはトキワサンザシ、タチバナモドキ、ヒマラヤピラカンサ、カザンデマリなどがあり、園芸ではどれも「ピラカンサ」と呼ばれています。学名はPyracanthaで、ラテン語ピラカンサ属なのですが、日本ではトキワサンザシ属と呼ばれ、バラ科の属の一つになっています。

 サンシュユ(山茱萸)はバラ科ではなく、ミズキ科の落葉小高木。春に枯れ木のような枝に先ず黄色い花が咲き出すのがサンシュユ。ハルコガネバナ、アキサンゴとも呼ばれ、春の黄色の花と秋の赤い実がその大きな特徴です。サンシュユの実はピラカンサの実より大きく、柔らかです。

 サンシュユは中国と朝鮮半島が原産で、享保年間(1720年頃)に薬用樹として日本へ渡来しました。サンシュユハナミズキヤマボウシと同じミズキ科に属し、夏にはそれらと似たような葉が出ます。秋に熟す赤い実にはビタミンCが豊富に含まれています。