サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木で、春を告げるように咲き出した。サンシュユの漢字表記は山のグミを意味する「山茱萸」。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれ、中国と朝鮮半島が原産地である。享保年間(1720年頃)に薬用樹として日本へ渡来。ウメやマンサクなどとともに春一番に葉より先に開花する。その花色が鮮やかな黄金色になることから「春黄金花」とも呼ばれる。開花は2~3月で、小さな花が20から30輪ほど集まって咲く。
サンシュユはハナミズキやヤマボウシと同じミズキ科に属しており、夏にはそれらと似たような葉になるが、サンシュユの葉の裏側には薄茶色の色の毛が目立つ。また、秋に熟す赤い実にはビタミンCが豊富に含まれ、現在でも健康食品や果実酒として利用されている。薬用になるのは主に種(核)の部分。
リョウブのように剥がれ落ちる樹皮が特徴的で、花や実がない時でも観賞価値があるため、公園や庭に好んで植えられる。そのためか、近くの遊歩道にも何本か植えられていて、今花が開き出している。