実り(結果)と花(原因)、秋と春の交錯

 11月の湾岸地域ではサンシュユの赤い実がなり、ボケ(木瓜)の花が咲き出している。秋と春の植物の営みがオーバーラップしていることを象徴するような自然のシーンである。ボケはボケている訳ではないだろうが、それにしてもせっかちな開花に見える。

 ボケは3~5月に赤、白、ピンク、オレンジの花を咲かせる。11月頃から花が咲き始めるものもあり、春に咲くものと区別して「寒木瓜(カンボケ)」と呼ばれている。

 サンシュユ(山茱萸)はミズキ科の落葉小高木。春に枯れ木のような枝に先ず花が咲き出すのがサンシュユ。ハルコガネバナ、アキサンゴとも呼ばれ、春の黄色の花と秋の赤い実がその特徴。秋に熟す赤い実にはビタミンC が豊富に含まれ、現在でも健康食品や果実酒として利用されている(画像)。