新型コロナウイルスの流行が続き、今年も花見どころではなくなっている。とはいえ、花見の主役ソメイヨシノの開花があちこちで始まっている。それに先駆けて、淡い赤紫色の一重咲きのヨウコウが既に咲いている。豊洲や有明に意外に多いのが「陽光」という桜。
ヨウコウは日本原産の交雑種で、高岡正明がアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させて生み出した園芸品種。陽光桜とも呼ばれる。戦前教員だった高岡は戦死した生徒たちの冥福を祈って各地に桜を贈ることを思い立ち、寒さに強いアマギヨシノと台湾原産の暑さに強いカンヒザクラを交雑させ、ヨウコウを誕生させた。