コブシの花

 ハクモクレンに似たコブシ(辛夷、拳)の花が満開である。コブシはモクレンモクレン属の落葉広葉樹。北海道から九州までの山林や原野に自生する。早春に香りのある白い花を咲かせ、春の訪れを告げる代表的な里山の花木である。街路樹や公園樹としての利用も多く、湾岸地域でもよく目にする。

  コブシの開花はソメイヨシノより早く、蕾は銀色の毛を持つ3枚の「萼片」で覆われており、葉が出る前に小枝の先にハクモクレンより小さい白い花をつける。花びらの幅は狭く、ハクモクレンと違って、花は全開する。花弁は6枚あり、雌雄同株。花にはレモンのような香りがある。

  コブシには「田打ち桜」、「田植え桜」、「種まき桜」などの別名があるが、コブシの開花を農作業の目安に使ったことに由来する。また、コブシがたくさん咲いた年は豊作になるなど、豊凶の占いにも用いたようで、それに従えば、画像から今年は豊作のようである。

* 「コブシ」と聞くと、年配の方々は千昌夫の「北国の春」の歌詞を思い出すのではないか。

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