コブシはモクレン科モクレン属、その名は果実の集合体が「拳」に似ていることに由来。早春に白い花を咲かせ、葉が大きくて木陰を作りやすいため、湾岸地域でも街路樹や公園樹として利用されている。
コブシのグロテスクな実は既に落ちたが、その実ができた頃にはネコヤナギに似た新芽が出て、青葉の中で共存していた。コブシは花が美しいだけではなく、実も芽も面白い。
コブシは開花する前に、つぼみの先端を一斉にいっせいに北の方に向けることがある。これはハクモクレンやネコヤナギも同様で、日のよく当たる南側に面したツボミの付け根付近の組織が、北側の組織よりもよく成長し、結果として先端が北側に傾くために起きる(植物のある部分が特定の方角を示すものが方向指標植物)。
そのような能書きは横に置き、これからくる冬への備えのようなコブシの芽やつぼみはネコヤナギの花穂を連想させます。
*「芽、つぼみ、花穂」の区別