ニワゼキショウの仲間たち

 5月に入り、草地にはニワゼキショウの仲間たちが花をつけ出しています。どれも小さい花ですが、ニワゼキショウやオオニワゼキショウはアヤメ科ニワゼキショウ属の一年草で、アヤメの仲間です。ニワゼキショウには6枚の花びらがあるように見えますが、花びらは3枚で、残りの3枚は萼です。見分けるのは難しいのですが、幅の狭い花びらと幅の広い萼が互い違いに並んでいます(画像)。ニワゼキショウの花色は赤紫と白とがあり、遺伝上は白い花色の方が優性です。そのため、白花の個体数の方が多く、赤紫の花は個体数だけでなく、花のサイズも僅かに小さめです。

 ニワゼキショウより全体にやや大きいためオオニワゼキショウと名づけられたようですが、それは花のサイズではなく、背が高いためと思われます。オオニワゼキショウの花はニワゼキショウよりも小さく、背はニワゼキショウより高いようです。オオニワゼキショウの花はニワゼキショウの白花とよく似ています。でも、花弁と子房の境目のくびれが大きいのがオオニワゼキショウの特徴です(画像)。

 ニワゼキショウやオオニワゼキショウの個体が多数派とすれば、少数派なのがセッカニワゼキショウの個体で、その花は白い花弁に内側の黄色が映えます。その白い花被片は先が細く尖り、真ん中に一本筋が入っています。背丈はニワゼキショウよりも低く、花も小ぶりです。

ニワゼキショウ、白花

ニワゼキショウ、赤花

オオニワゼキショウ

オオニワゼキショウ

セッカニワゼキショウとオオニワゼキショウ

ニワゼキショウとオオニワゼキショウ