ニワゼキショウ探索

 このところ何日か、湾岸地域の空き地や道端でニワゼキショウを見つめてきました。目的の一つはルリニワゼキショウ(瑠璃庭石菖、別名アイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖))を見つけることでした。残念ながら、まだ見つけていません。

 ニワゼキショウの仲間はどれも小さい花ですが、立派にアヤメの仲間です。ニワゼキショウやオオニワゼキショウはアヤメ科ニワゼキショウ属の一年草。どれも多少の違いがあっても、1センチ前後の小さな花です。ニワゼキショウには6枚の花びらがあるように見えますが、花びらは3枚で、残りの3枚は萼です。よく見ると、幅の狭い花びらと幅の広い萼が互い違いに並んでいます。ニワゼキショウの花色は赤紫と白とがあり、遺伝上は白い花色の方が優性です。そのためか、白花の個体数の方が多く、赤紫の花は個体数だけでなく、花のサイズも僅かに小さめです。

 ニワゼキショウより全体にやや大きいためオオニワゼキショウと名づけられたようですが、それは花のサイズではなく、背が高いためと思われます。オオニワゼキショウの花はニワゼキショウよりも小さく、背はニワゼキショウの方が低いようです。オオニワゼキショウの花はニワゼキショウの白花とよく似ています。でも、花弁と子房の境目のくびれが大きいのがオオニワゼキショウの特徴です。

 セッカニワゼキショウも最近個体数を増やしています。その花は白い花弁に内側の黄色が映えます。その白い花被片は先が細く尖り、真ん中に一本筋が入っています。背丈はニワゼキショウよりも低く、花も小ぶりです。

 これらのニワゼキショウを観察すると、草の深い所には背の高いオオニワゼキショウが、路傍や芝地にはニワゼキショウやセッカニワゼキショウがよく見られました。目を凝らして探し続けたのですがルリニワゼキショウは見つかりませんでした。そのため、暫くは下を向いて歩くことになりそうです。

*画像にはニワゼキショウの白花、赤紫花、オオニワゼキショウ、セッカニワゼキショウが写っていますので、上の説明に従って特定してみて下さい。