小さなマツバハルシャギクが足元で咲いています。キク科のマツバハルシャギク(松葉波斯菊、Helenium amarum)の別名はマツバダンゴギクで、北米原産の一年草。丸みのある花の中央は黄色の花粉で満たされ、私だけでなく、チョウも惹きつけます。松のような細い葉が特徴的で、「ハルシャ(波斯)」はペルシャの意味です。北米のバージニア州からテキサス州が原産で、観賞用に栽培されます。夏から秋にかけて、長い花柄の先に径3cmほどの頭花を上向きにつけます。
松葉のように細い葉をもつことから、ハルシャギクにマツバ(松葉)がついたのですが、ハルシャギクもマツバハルシャギクも原産地はペルシャ(イラン)ではなく、北米です。どうして「ペルシャ」がついたのかは不明です。最近の図鑑では、「春車菊」と書かれることが増えていますが…ところで、コスモスの別名はオオハルシャギク(大春車菊、大波斯菊)。これもペルシャとは無関係の謎のネーミングですが、「大春車菊」のネーミングもこれまた謎。謎の「波斯」、「春車」という訳です。
コスモスの学名はCosmos bipinnatus、キバナコスモス(黄花コスモス)はCosmos sulphureusで、同科・同属ですが、種が異なり、交配は不可。両種とも一年草で、原産地も同じメキシコ。メキシコでは、キバナコスモスはコスモスより標高の低い標高1600m以下の地域に住み分けて自生します。コスモスに対して、ハルシャギクの花は黄金色で基部は赤褐色。
*画像はマツバハルシャギク、ハルシャギク、コスモス、キバナコスモス