マメ科のアレチヌスビトハギ(Desmodium paniculatum)は北米原産の帰化植物。高さ1m程になる多年草。近くの芝生の庭の中に何本も姿を現わしていて、初対面の私は驚いてしまった。葉や茎全体に毛が目立つ。今長さ6~9mmの美しい紫色の花を咲かせている(画像)。果実は扁平で、間には節がある。表面はかぎ状に曲がった毛が密生し、熟すと節から分断されて衣服などにひっつく。気づかずに歩くと、くっついてしまう「ひっつき虫」だそうで、駆除されなければそれも試してみたい。
「アレチヌスビトハギ(荒れ地盗人萩)」とは人を不安にさせるような大層な名前だが、大阪で最初に見つかったのは1940年のこと。渡来した原因は不明で、現在は関東地方以西に広がっている。和名は「荒れ地に生えるヌスビトハギ」で、日本在来のヌスビトハギと同属で、よく似ていることから命名された。「ヌスビトハギ」の「ヌスビト」は、豆果(豆の入った莢=さや)の形が、泥棒が人家に入るときの忍び足の足跡のようだからと言われている。私は当然ながらヌスビトハギも知らない。