ミヤコグサが今年もいつもの場所で咲いている。他の場所では見たことがなく、この時期の私の特別な場所になっている。1㎝程の小さな花をつけるミヤコグサは日本の各地から中国・台湾・ヒマラヤにも生育する多年生植物。路傍や荒れ地に生育していて、花期は長く、春と秋に数多く花を開く。近寄ってみると、つるりとした花はマメ科の特徴をよく表していて、形も色もとても美しい。
ミヤコグサの名前は、京の都に多く自生していたことから付けられた、あるいは漢名の百脈根(ひゃくみゃくこん)から転訛してミヤコグサと呼ぶようになったとも言われる。別名の烏帽子草(えぼしぐさ)は、花の形が烏帽子に似ていることに由来する。
ガクに毛があるものはミヤコグサと同科同属でも、ヨーロッパ原産のセイヨウミヤコグサ。ミヤコグサとセイヨウミヤコグサの関係はタンポポと西洋タンポポの関係に似ていて、知らない間に在来種と外来種が身近な環境下で入れ替わっている。そこで、そのミヤコグサのルーツを辿ると、ミヤコグサ自体も遥か昔に農耕作物と共に移入した史前帰化植物(前川文夫が提唱した概念で、有史前後(3世紀前後)に日本に帰化した植物)だった。
*史前に日本に帰化した人たちが私たち日本人のルーツ