以前はあちこちの空地にツルソバ(蔓蕎麦)が見られたのですが、最近はすっかり少なくなってしまいました。ツルソバはタデ科イヌタデ属の蔓性の多年草。蔓を伸ばし、葉も蕎麦の葉に、花も蕎麦に似ていることから「蔓蕎麦」と命名されました。葉や茎には酸味がありますが、新芽をてんぷらや胡麻和え、梅肉和えなどとして食べることができます。でも、蕎麦としては食べられません。
ツルソバは東アジア原産で、広く自生しています。晩春から初冬までの長期間、茎頂や葉腋から総状花序(花柄をもった花が並んでつき、総 (ふさ) の形になる花のつき方)を伸ばし、小さな白花をつける。これは花弁ではなく、5深裂した萼。
ソバ(蕎麦)は種子が黒色で3稜があり(三角卵型で突起状)、この稜からソバという名がついたようですが、ツルソバの種子もソバと同じく黒色の3稜形で、よく似ています。ツルソバの花被(かひ=花弁と萼)は白色で、5つに分かれています(画像)。花期の長いツルソバは花を咲かせながら「実」が熟していきます。画像は花とその「実」が一緒についています。「実」といっても、本当の果実ではなく、花被が肥厚し、液質になったもの。
ツルソバの「実」を指で潰すと暗紫色の汁が出て、上述の黒いタネのようなものが中から出てきます。これがツルソバの本当の実で、痩果と呼ばれています。ツルソバのタネもソバのタネもこの痩果で、二つはよく似ています。

