ノイバラの花

 今年は既にナニハイバラについて記しました。中国原産のナニワイバラは日本に宝永年間に渡来し、大阪でこのノイバラが売られていたことから、「難波のバラ」という意味で「ナニワイバラ」と呼ばれました。

 『万葉集』、『常陸風土記』にバラが登場します。防人の歌はノイバラを指し、『源氏物語』や『枕草子』にもそうび(薔薇)の記述があり、これは中国から渡来したコウシンバラだと考えられています。日本には原種の野バラが宮中などで栽培されていて、江戸時代頃にはそれらが広く栽培され、江戸末期には西洋バラも栽培され出しました。

 キクは7~8世紀に中国から渡来しましたが、バラは日本に自生していました。バラの先祖を辿っていくと、アジアから日本にかけての自生種8種類に行きつきます。バラの原種のうちの3種類、ノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスは日本原産です。そのノイバラの花はそろそろ終わりです(画像は野生のノイバラ)。