既に何度も言及してきたように、古来より日本に自生するバラの原種の一つがハマナス(浜茄子、浜梨)。そのハマナスは西洋に渡り、私たちが現在楽しんでいる近代的なバラの誕生に大きく貢献しました。
ハマナスは既に3月には咲き出しますが、その園芸種を含めて湾岸地域ではポピュラーな花になっています。ハマナスは砂浜に自生すると教えられ、ずっとそう思っていたのですが、河川敷や公園に当たり前のように植えられていて、湾岸地域では珍しくない植物になっています。園芸種の八重咲のハマナスまであります。
7月に入ると、ハマナスの花が終わり、その実が色づき始めています。ハマナスは赤い花(あるいは白花)を咲かせますが、花径は6センチから8センチくらいあり、野生のバラの仲間では最も大きな花です。
私などはハマナスと聞くと、森繁久彌の「しれとこ旅情」が浮かんでくるのですが、実は古くから詩歌に詠まれていたのがノイバラとハマナスで、正に日本の野ばらなのです。
*プチトマトに色も形もよく似たハマナスの実はローズヒップと呼ばれ、ビタミンCを豊富に含んでいます。ハーブティー、ジャム、スキンケアオイルの材料として用いられます。