ハマナス(浜茄子、浜梨)はバラ科バラ属の野生のバラ。夏に赤いや白の花を咲かせる(画像)。湾岸地域には意外に多く、あちこちに植えられ、花を咲かせている。ハマナスは英語で「Ramanas Rose(ラマナス・ローズ)」と呼ばれ、日本語の「ハマナス」が元になったようである。ハマナスの名前が広く知られるようになったのは、1960年に森繁久彌が作詞作曲した「知床旅情」で、私もこの歌詞でハマナスの存在を知った。
野生のバラは「ノイバラ」(ヨーロッパのバラの原種は「イヌバラ」)で、純白の5枚の花弁をもつ原種のバラである。日本では有棘の低木類のバラが茨(いばら)と呼ばれていて、野生であることから「野」がついて「ノイバラ」となった。別名がノバラ(野薔薇)で、バラの代表的な原種の一つ。画像は中国原産のナニワイバラで、日本には宝永年間に渡来し、大阪の商人がこのノイバラを売り歩いていたことから、「難波のバラ」という意味で「ナニワイバラ」と呼ばれるようになった。
ハマナスもナニワイバラも「一重」のバラである。バラの園芸種にも一重のバラがあるが、画像はその一つの「カクテル」。そして、「八重」の赤バラの代表となれば、「ノックアウト」、「オリーブ」。バラの基本的な花びらの枚数は5枚で、それが一重咲き。二重咲きは花びらの枚数が8枚くらいか。そして、花びらの枚数が20枚以上になると、八重咲き。実は花びらは雄しべが変化したもの。花びらの枚数が多くなればなるほど、雄しべがない品種が多くなる。雄しべのない品種では当然、実がつかない。つまり、花を八重咲きにするには、雄しべを花びらに変えるという強引な品種改良をするため、八重咲きは実がつかないことになる。