バラの花たち(1)

 バラの花は4月の中頃から咲き始めます。「一季咲き」のバラは年に一度、春(5~6月)にしか咲きません。原種のバラや古い品種のバラの多くは一季咲きです。四季咲きは春、夏、秋に繰り返し咲くバラです。「秋バラ」は四季咲きのバラが秋に咲いたものを指します。

 春バラの特徴は花の大きさと色の鮮やかさです。秋バラの特徴は濃い色と豊かな香りです。気温が下がっていく時期に咲くため、ゆっくり開花し、花本来の模様や色味が出て、香りも深くなります。春バラと違い、シックな色合いの花を咲かせます。

 『万葉集』、『常陸風土記』にバラが登場します。防人の歌はノイバラを指し、『源氏物語』や『枕草子』にもそうび(薔薇)の記述があり、これは中国から渡来したコウシンバラだと考えられています。日本には原種の野バラが宮中などで栽培されていて、江戸時代頃にはそれらが広く栽培され、江戸末期には西洋バラも栽培されていました。

 キクは7~8世紀に中国から渡来しましたが、バラは日本に自生していました。バラの先祖を辿っていくと、アジアから日本にかけての自生種8種類に行きつきます。バラの原種のうちの3種類、ノイバラ、テリハノイバラ、ハマナスは日本原産です。

*画像はノイバラ、ハマナス、そして園芸種です。

ノイバラ

ハマナス

ヨハネパウロ2世

チェリーボニカ

レヨンドゥソレイユ