師走のピラカンサの実

 ピラカンサタチバナモドキ(ホソバノトキワサンザシ)、トキワサンザシ(常盤山査子)、ヒマラヤトキワサンザシ(別名カザンデマリ、インドトキワサンザシ)の総称で、名前が込み入っているだけでなく、実物の見分けもとても厄介です。ヒマラヤトキワサンザシはヒマラヤ原産、赤い果実で、葉に鋸歯がないのが普通です。タチバナモドキは中国原産、橙色の果実で、葉に鋸歯があり、他の2種より長く大きめです。このようにまとめても、現物を見ながら区別できるかと問われると、まるでわからなくなります。

 今では学名のピラカンサでひとくくりにされますが、バラ科トキワサンザシ属には6種類があり、園芸では庭木などで広く利用されるトキワサンザシ、タチバナモドキ、カザンデマリの3種を指してピラカンサと呼んでいます。トキワサンザシは赤い実、タチバナモドキは黄色からオレンジ色、カザンデマリは濃い赤と、実の色で区別できるのですが、今の時期になるとどれも似た色になってきます。その上、最近は交雑も進み、正確に分類するのは私には難しくなっています。例えば、最初の二枚の画像と最後の二枚の画像はじっくり見れば確かに違うのですが…、その区別が確実にいつでもできず、つい自らの老いを実感してしまうのです。