ソヨゴの花とキマダラカメムシ

 モチノキ科のソヨゴ(戦、冬青)は常緑小高木で、別名は「フクラシバ」。熱すると葉が膨れて弾けるので「フクラシバ」、波状の葉がそよそよと風に揺れることから「ソヨゴ」と命名された。常緑樹の中では葉色が明るく、初夏に目立たない小さな花をつける(画像)。その後、ソヨゴの雌株は結実し、3cmほどの長い柄の先に果実を下垂させる。実は10~11月頃に赤く熟す。その赤い実が好まれ、湾岸地域でもよく目にする。

 ソヨゴは雌雄異株で、花は雌雄とも白と薄い黄緑色。雄花はたくさん集まって咲くが、雌花は1~2個のみがまばらに咲くだけである(画像)。雌花は葉腋から3~4㎝の花柄を出し、白い花を一つ咲かせる。

 雌花をつけたソヨゴにキマダラカメムシがいる。今年初めて見たキマダラカメムシである。カメムシは腹面にある臭腺から悪臭を伴う分泌液を出す。この液にはアルデヒド、エステル、酢酸、炭化水素が含まれ、兎に角臭い。敵の攻撃などによって分泌され、捕食者に対する防御と考えられている。群れでいるカメムシの場合、1匹が臭いを発すると、周辺のカメムシが直ぐに逃げ出す。つまり、カメムシの臭いは仲間に危険を知らせる警報フェロモンであり、さらに性フェロモンとしても使われている。

 昨年大発生したカメムシはその臭いで嫌われている。でも、その常識は偏見に近い一面的なもので、キバラヘリカメムシが驚いたときに臭腺から出す分泌液は青りんごのような清々しい香りがする。キバラヘリカメムシはマユミやニシキギを食性としている。

*クサギカメムシは全体が暗褐色で、模様は不鮮明だが、キマダラカメムシはクリーム色で模様が鮮明。