最も臭い昆虫の一つがカメムシ科のクサギカメムシ(臭木椿象、画像)。クサギカメムシは在来種で、クサギ(臭木)につくカメムシが名前の由来になっている。一方、キバラヘリカメムシはヘリカメムシ科の昆虫(二枚目以降の画像)。
カメムシは腹面にある臭腺から悪臭を伴う分泌液を出す。この液にはアルデヒド、エステル、酢酸、炭化水素が含まれ、兎に角臭い。敵の攻撃などによって分泌され、捕食者に対する防御と考えられている。群れでいるカメムシの場合、1匹が臭いを発すると、周辺のカメムシが直ぐに逃げ出す。つまり、カメムシの臭いは仲間に危険を知らせる警報フェロモンであり、さらに性フェロモンとしても使われている。
カメムシはその臭いで嫌われ、それが常識になってしまっている。でも、その常識は偏見に近い一面的なもので、キバラヘリカメムシが驚いたときに臭腺から出す分泌液は青りんごのような香りがする。キバラヘリカメムシはマユミやニシキギを食性としていて、その匂いは青りんごや若草のように清々しい。ともあれ、キバラヘリカメムシの臭いか、匂いかは私たちの主観的な感覚判断に過ぎない。
そのキバラヘリカメムシはニシキギと共に何度か記したが、今年はマユミについたキバラヘリカメムシに再会した。まだ幼虫のキバラカメムシばかりかと探し出すと、成虫も見つかった。