不完全変態するキバラヘリカメムシ

 3日前にキバラヘリカメムシについて述べました。昆虫には、チョウのように卵、幼虫、サナギ、成虫というように、幼虫時代と成虫時代では形態も行動もまるで変わる完全変態するものがあります。例えば、イモムシとチョウはまったく形態が違い、完全変態ですが、カメムシの仲間は不完全変態で成長します。劇的に変化するサナギ時代がなく、卵から孵化して1齢幼虫になり、5回脱皮を繰り返し、最後に羽化して成虫になるのがカメムシたちです。各齢で大きさ、色具合、模様などなどがどんどん変化しながらも、成虫の形態が翅と外部生殖器を除いて幼虫形態とほぼ同じで、しかも、幼虫と成虫の間に蛹を経ません。

 背面は暗褐色、腹面は黄色、腹部側面に黄白色と黒色の縞模様があるのがカメムシの成虫。図鑑などでは腹面が黄褐色となっていますが、実際には黄色から黄緑色に見えます。脚の色も面白く、腿節の根元から2/3ほどまでが白っぽく、残りの1/3と脛節以降は、先まで茶褐色です。成虫は体長14~18㎜。1齢から5齢までの幼虫は似ています(画像)。

 自然の中の変化は千差万別ですが、脱皮と変態という成長変化は連続的な変化ではありません。スムーズに変わっていく変化ではなく、不連続の変化の具体例とも言えます。私たちの成長変化にもよく見ると脱皮や変態が見つかる筈です。

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モンシロチョウ

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成虫

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成虫と幼虫

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5齢幼虫

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1齢幼虫