夏のアリとチョウ

 暑くなり出し、アリやチョウの活動が目立つようになってきた。

(アリについて)

 日本には280種ほどのアリがいて、棲み分けて棲息している。アリはハチから進化したもので、ハチ目アリ科の昆虫。女王アリが産卵し、大家族を作り、集団で暮らしている。その集団社会には働きアリ、兵隊アリ、雄アリ、女王アリなどがいて、それぞれが分業して生きている。雄アリ以外は全て雌で、大きな昆虫に群がったり、集団でエサを運んでいたりする働きアリや兵隊アリは全て雌。雄アリと女王アリだけが羽を持ち、年に1回、繁殖期に一斉に飛び立ち、空中で交尾する。これが「結婚飛行」で、女王アリは別の巣の雄と交尾する。交尾は一生に一度だけで、その後はオスからもらった精子を体内に蓄えて産卵し続ける。

(チョウについて)

 チョウは動物の尿や糞、死骸が好きで、死体から流れる血も好む。こんな習性をもつのはチョウのオスがほとんど。オスのチョウは塩分とアミノ酸から、メスを引きつけるフェロモンを生成しているため、それらを豊富に含む血や糞を好む。花蜜を吸うのと同じく、吻(ふん)を伸ばして、表面から栄養を摂取する。

 画像のツマグロヒョウモンは暖かい地域を好み、湾岸地域だけでなく、あちこちでその生息域を拡大している。雌は前翅の先端部表面が黒(黒紫)色地で白い帯が横断し、ほぼ全面に黒色の斑点がある。翅の裏は薄い黄褐色の地にやや濃い黄褐色の斑点があるが、表の白帯に対応した部分はやはり白帯。一方、オスの翅はヒョウモンチョウそのもの。