ヤツデの花(3):ヤツデに似た動物

 ヤツデは雌雄同体ですが、動物であるミミズもカタツムリも雄と雌の区別がなく、雌雄同体です。1個体に両性が同時に共存するのが雌雄同体。カタツムリのように移動能力が劣り、有性生殖の相手と巡り合うチャンスが低い場合、動物でも雌雄同体になるものが多いようです。

 では、雌雄同体の生き物はどうやって子孫を残すのでしょうか。ヒトのように雌雄異体の場合、オスとメスは異なる生殖器をもっています。一方、ミミズ、カタツムリ、ウミウシは一個体の中に常に同時にオスとメスの両方の生殖機能が存在する雌雄同体の動物です。

 ミミズは卵巣と精巣をもちますが、ウミウシは両性生殖腺という器官をもち、精子と卵の両方を作っています。同じ場所で精子と卵を作ったら、苦も無く自家受精ができそうですが、両性生殖腺にある精子はまだ活性化されておらず、自家受精はしない仕組みになっています(雌雄異熟に対応)。つまり、ウミウシも雌雄異体の動物と同様、配偶相手に出会わなければ繁殖はできないのです。

 同時に雌雄同体であることのメリットは、二匹が出逢うと確実に交尾できることですが、雌雄異体の動物では、そうはいきません。