アカメガシワの雌花と雄花

 アカメガシワは子供の頃から見知っていた。だが、アカメガシワについて識っていたかと問われれば、まるで自信がない。訳もなく、アカメガシワに触りたくなかったのだ。アカメガシワは同じ先駆種のクサギやナンキンハゼと違って雌雄異株である(雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株で、クサギもナンキンハゼも雌雄同株)。新葉が赤いことから「アカメ」がつけられた。

 アカメガシワの雄花と雌花の画像を見比べてほしい。アカメガシワは雌雄異株、つまり雄の木と雌の木が別々にあり、雄の木には雄花だけ、雌の木には雌花だけが咲く。動物は雄の個体の方が派手で人目を引くが、アカメガシワの花はどちらかと言えば、雄花の方が派手という程度。雄が派手なのは両性生物の基本的な特徴。

 ヒトは雌雄異体の両性生物ということになっているが、近年のLGBTの運動を見ていると、人は雌雄同体、雌雄異体が入り混じっていて、個体が成長に応じて雌雄を自ら選択できる自由を求めている。その意味ではどの生物にもない、選択の自由という独特の特徴を持っているようにみえる。ただ、ヒト以外の動植物と違って、人の場合はその特徴が繁殖への繋がりがあるとしても、それだけでは不十分だとされる。では、十分な説明に必要なものは何かと問われれば、心の性であり、心が欲し、満たされる性によって説明されるのが普通である。とはいえ、心の性は複雑怪奇で、変幻自在。

雌花

雄花