ヤマブドウの花と実

 日本に野生するブドウの代表がヤマブドウで、巻きひげを伸ばして、他の樹木に絡みつく。秋に熟す酸っぱい実は生食できるほか、ジャム、ワインの醸造にも使われる。ヤマブドウは雌雄異株で、雌株だけが実をつける。ヤマブドウと栽培ブドウの違いは、前者が雌雄異株、後者が雌雄同株で、栽培ブドウは1株植えれば実がつくが、ヤマブドウからワインを造ろうと思うなら、雄株と雌株の両方を植える必要がある。ヤマブドウの雄株は開花と同時に花弁が脱落し、雌しべが退化し、雄しべだけの雄花をつける。一方、雌株は両性花をつけるが、雄しべが雌しべよりも短く、雄機能が低下しているために自家受粉は困難。そのため、ヤマブドウが結実するには雌雄両株が必要ということになる。

 こんな能書きはさておき、子供の頃の私にはヤマブドウの記憶がほとんどない。栗や柿に比べると、心がときめくようなものではなかった。そのためか、今でもヤマブドウのワインを飲みたいとは思わない。飲めばうまいのかも知れないのだが…

*雄花には雄しべがあって、雌しべはない。一方の雌花では雌しべだけで、雄しべはない。雄しべと雌しべの両方を持つのが両性花。

両性花

雄花