アオキ(青木)はアオキ科アオキ属の常緑低木で、既に何度か紹介してきました。真っ赤な実と白い雪のコントラストは野外の冬景色に見事なアクセントを与えてくれます。「アオキ」という和名は常緑で枝も青いためですが、赤い実を反映していません。私が考えたもっともらしく見える理由は、アオキが雌雄異株であるため。赤い実は雌株にしかつきませんが、緑の葉と枝は雌雄共に共通です。
今頃のアオキをよく見ると、枝先に小さな花の塊のようなものが見えます。近づいて観察すると、アオキの雌花や雄花を見ることができます。アオキの花期は3 月から5月。雌株には雌しべだけで、雄しべのない雌花が付き、雄株には雄しべだけの雄花がつきます。花は褐色を帯びた紫色で、枝先の円錐花序に穂のように花をつけます。雄花は淡黄色の葯をもつ4本の雄しべがあり、雌花は緑色の花柱があります。雌株の方が花序は小さく、花も少なめです。雌花の花弁は4枚で、雄しべは退化してありません。一方、雄株の花序は大きく、花の数もたくさんあります。雄しべは4本で、雌しべの痕跡があります。
大きく赤い実と小さく地味な花とをもつアオキは湾岸地域の売れっ子の植栽材料になっています。画像の最初の二枚が雄花、残りが雌花です。