ハマヒサカキの黒い実

 常緑小高木のハマヒサカキ(浜姫榊)にも雌と雄の区別がある。ハマヒサカキは湾岸地域でも街路樹や生垣としてよく見るのだが、雌雄異株で、当然ながら雄株には雄花が、雌株には雌花が咲く。花は直径2〜6mmの鐘形で、下向きに開き、雌花は雄花より小さい。雄花には雄しべが10〜15個あるが、雌花では退化。雌花の雌しべは1個で、雄花では退化。

 雌花が咲いた後にはヒサカキと同じような球形の果実ができる。果実は液果で、直径5mmほどの球形。11〜12月に黒紫色に熟す(画像)。中に10〜20個の種子が入っている。翌年の開花時期にも実はしっかり残っていることが多く、雌株では花と実が同居する。

 ハマヒサカキのような雌雄異株の植物は雌雄どちらかの単性花のみをもち、各個体は雄性器官、または雌性器官だけをもつ。雌性型は雌性器官を持つ個体で、種子を生産できるが、花粉は生産できない。一方、雄性型は雄性器官を持つ個体。花粉を生産できるが、種子を生産できない。