ハマヒサカキの雌雄の花

 ハマヒサカキは湾岸地域でも公園の生垣としてよく見るのですが、花が咲く今の時期は独特の悪臭を放っています。雌雄異株で、当然ながら雄株には雄花が咲き、雌株には雌花と実がついています。花は下向きに開き、雄花の方が大きいサイズです(画像)。花弁は5個。雄花には雄しべが10〜15個ありますが、雌花では退化しています。雌花の雌しべは1個で、雄花では退化しています。

 雌花が咲いた後にはヒサカキと同じような球形の実ができます。実は液果で、直径5mmほどの球形。11〜12月に黒紫色に熟します(画像)。花期は11〜12月で、実は一年かけて黒っぽく熟します。翌年の開花時期にも実はしっかり残っていることが多く、雌株では花と実が同居し、私たちは花と実を同時に楽しむことができます(画像)。

 *植物では、同一の個体中、あるいは一つの花の中に雄、雌が混在することは珍しくない。特に、繁殖器官である花は非常に多様な形態を示し、リンネはそれをもとに植物を分類する体系をつくった。雌雄異株は雌雄どちらかの単性花のみをもつ植物で、各個体は雄性器官、または雌性器官だけをもつ。雌性型は雌性器官を持つ個体で、種子を生産できるが、花粉は生産できない。一方、雄性型は雄性器官を持つ個体。花粉を生産できるが、種子を生産できない。

**春先の悪臭はヒサカキ、晩秋の11月頃に似た悪臭を振りまくのはハマヒサカキヒサカキの近縁種のハマヒサカキもガスのような臭いがする。

雄花

雄花

雌花

雌花