ノリウツギの花

 ノリウツギアジサイの仲間で、円錐形の花序(花房)をもつため、ガクアジサイカシワバアジサイによく似ています。開花期もアジサイより遅く、今咲き出しています。

 開花は6~8月で、小さな花が集まってピラミッド状の円錐形を作ります。遠目にはガクアジサイのように見えますが、花の様子はカシワバアジサイに似ています。白い花びらのように見えるものは萼が花びら状に変化した「装飾花」と呼ばれるもので、「しべ」が退化した装飾花の萼片です。装飾花の大きさは1~5センチで、色は白が基本ですが、ピンクを帯びるものもあります。

 ウツギのように初夏に白い花を咲かせること、樹皮に含まれる粘液を利用して製紙用の糊を作ったことからノリウツギ命名され、ノリノキという別名もあります。また、アイヌ語では「サビタ」といい、北海道では「サビタの花」と呼ばれます。

ノリウツギタニウツギ、フジウツギと「ウツギ」のつく木はずいぶん多いのですが、いずれも別の植物です。ノリウツギユキノシタ科、タニウツギスイカズラ科、フジウツギはフジウツギ科です。「ウツギ」は漢字で書くと「空木」です。「うつ」は「うつろ(空ろ・洞ろ・虚ろ)」を意味し、茎の中が空洞の木を「ウツギ」と呼んできました。