ニチニチソウ

 初夏から晩秋まで毎日次々に花をつけるのが「日々草」。キョウチクトウ科ニチニチソウは今の高温の炎天下でも毎日綺麗な花を咲かせている。別名はビンカで、原産地はマダガスカルやスンダ列島などの暖かい地域。そのため、夏の暑さや多湿に強い。

 その名前から想起するのは「日日是好日(にちにちこれこうにち、にちにちこれこうじつ)」という雲門文偃(うんもんぶんえん)の有名な禅語。『碧巌録』第六則に収められている公案で、「日々是好日」とも表記され、「ひびこれこうじつ」とも読む。

 「日日是好日」は、文字通りには「毎日が好い日」という意味で、そこから、そもそも日々の良し悪しを一喜一憂することが誤りで、常に今この時が大切なのだ、あるいは、あるがままをそのまま受け入れるベきだ、といった曖昧な解釈がなされてきた。

 ニチニチソウを見ていると、毎日が好日であることは何と実現しがたく、毎日が問題だらけだと感じ、それをいつの間にか受容している自分に気づくのである。

*「日日是好日」の反対は「日日是排日」だが、今の多くの日本人はこれに別の意味を与えている。排日運動は日本人を排除しようという運動で、かつてアメリカには排日移民法があった。今でも隣国では反日親日が叫ばれている。「好日」とはまるで異なっても、漢字は共に「日」が使われている。