アヤメ科のディエテス・ビコロル(Dietes bicolor、英語ではAfrican iris)が今年も元気に咲いています。日本では花ではなく、葉が華道で使われるようですが、原産地の南アフリカでは広く栽培されていて、公園や公共施設、道路脇などに植えられています。花は春から夏にかけて咲き、オレンジ色に縁取られた黒に見えるほど濃い紫色の斑紋が三つあります(画像)。園芸種として「常緑アヤメ」とも呼ばれています。私が魅了されたのは、淡いクリーム色(和の色名では「若芽色」か)の花色で、画像でそれを十分に伝えられないのが残念です。
ディエテス・ビコロルは6枚の花被(かひ)からなります。花被は萼が花弁の色と区別がつかない場合に双方を合わせて指す言葉です。萼が変化した3枚の外側の花被は大きく、中央に斑(ふ)とトサカ状の突起があり、アヤメ科の花の特徴を持っています。
*アヤメの中でディエテス・ビコロルの仲間として既に記したのはシャガ、それにディエテス・グランディフロラ(Dietes grandiflora)です(画像)。