ギンバイカの熟れた実

 梅の花に似た、雄しべの自己主張が目立つ白い小さな花をたくさんつける常緑低木がギンバイカ(銀梅花)で、6月中旬から7月に花をつけ、それが梅の花に似ていることから「銀梅花」という名がつけられたと既に記しました。

 ギンバイカはオリーブ、ヒメイチゴノキ、ゲッケイジュとともに地中海沿岸を代表する植物です。実は秋になると熟れ、黒紫色になります(画像)。実は球形で直径は1cm位、水気が少なく、皮は黒紫色で薄く、薄緑の果肉の味は渋みがあり、甘味もいくらかあります。ゲッケイジュのような特有の香りをもっています。実は生で食でられますが、苦味があるため、乾燥させたものをスパイス等として使うのが一般的です。地中海沿岸やヨーロッパではリキュールにして楽しみます。

 古くからある民間療法によれば、ギンバイカの葉の煎じ薬は、胃腸、低血糖、抗菌、咳、口内炎等の治療に使用され、実は下痢、化膿性潰瘍、炎症、リウマチ、頭痛、発熱に使われてきました。ギンバイカの効能はアフリカ、アラビア、中国、インドの伝統医学で知られています。