サザンカは冬の花ということになっているが、実際は10月末には咲き始める。そのため、花粉にはハナムグリ、ハチ、アリなど、色んな昆虫が集まる。サザンカの花には100本近くのおしべがあり、その中心に1本のめしべがある。スズメバチはおしべをかき分けるように頭を突っ込み、身体の毛には黄色い花粉がたくさんつける(11月6日のオオスズメバチの女王バチの画像には花粉がついている)。
サザンカの花は放射状に伸びた多数のおしべに取り囲まれためしべをもち、めしべの先端(柱頭)は三つに裂けている(画像)。サザンカのおしべはバラバラの梅芯型で、ツバキのおしべは茶筅型で、基部は筒状。サザンカのおしべは花弁と共に散らずに残り、ツバキのおしべは花弁と共に落ち、めしべだけ残る。
花をつくる、顎、花びら、おしべ、めしべはすべて長い進化の歴史の間に、葉が変化してできたもの。そのため、花びら化したおしべがサザンカにはよく見られる。