サザンカの花

 師走に入ると、湾岸地域では山茶花の花が目立ち始めます。サザンカ山茶花)はツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。私など童謡の「たきび」の歌詞でサザンカを知ったのですが、今の子供たちにはその歌詞さえ非日常的な風景なのでしょう。サザンカには多くの園芸品種があり、サザンカ、カンツバキ、ハルサザンカの群に分けられています。花は横に平らに開き、雄しべは椿(ツバキ)のように筒状にはなりません。湾岸地域に多い園芸品種には、花の色が赤のものが多く、八重咲きが多く見られます(画像)。花の少ない晩秋から初冬にかけて長い間咲き、正月を過ぎても楽しめます。

 椿(つばき)の漢名の「山茶花」が、いつの頃からか「サザンカ」という名前として間違って定着しました。日本が原産地で、学名も英名もサザンカです。また、寒椿とは葉っぱも花も似ていて、なかなか見分けがつきません。

 そこで、見分け方を三つ挙げてみましょう。まず、秋に咲き始めるのがサザンカ、少し遅れて冬になって咲き始めるのがツバキです。サザンカの葉は、ツバキと比べると一回り小ぶりで、葉の付け根部分にあたる葉柄に細かい毛が生えているのがサザンカ、毛が生えていないのがツバキです。最後に、ツバキの花は、そっくり丸ごと落ちるのに対し、サザンカの花は花弁がバラバラになってそれぞれ散っていきます。

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