ナンキンハゼの白い実の並木

 歴史が新しい湾岸地域には先駆種のクサギ、ナンキンハゼ(いずれも雌雄同株)、アカメガシワ(雌雄異株)がまだよく見られます(雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株)。画像のナンキンハゼの並木は人が植えたもので、既に紅葉が終わり、白い種子が残り、それが花のように見えます。ナンキンハゼは中国原産の落葉広葉樹で、10月終りには緑色の実の果皮が弾け、画像のような白い種子が残ります。

 ナンキンハゼの蒴果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実のこと)が開いても、種子は果皮から離脱せず、紅葉期から落葉後まで長く樹上の枝先に残り、白い種子が目立つようになります。ムクドリなどの鳥類がこの種子を食べ、蝋状物質を消化して、種子を排泄し、それが周辺に広がります。

 それにしても見事な白い種子の並木です。まるで年末の昼のライトアップのようです。先駆種としてのナンキンハゼは小さな個体が多いのですが、並木のナンキンハゼはいずれも大木で、10mを優に超えています。