デュランタは藤色や白の小花が集まって房状に垂れ下がって咲く熱帯花木。また、観葉植物としても一般に出回っていて、沖縄などでは生け垣としてよく植えられています。丈夫で開花期間が長く、暖地では庭木として植えることができます。樹高30～600cmに生長します。ギザギザがある葉っぱの先に、白や紫の小さな花を房状に咲かせます。
デュランタ、つまりタイワンレンギョウ（台湾連翹）は中南米原産で、別名はハリマツリ（玻璃茉莉）です。玻璃は水晶、茉莉はジャスミンです。花の形はジャスミンによく似ていますが，なぜ「玻璃」なのか不明です。原産地が中南米なのに、なぜ「台湾連翹」なのかわかりません。
何と呼ばれ、それがどんな由来かということと、その植物の本性とが同じでないことは珍しいことではありません。人の知ったかぶりやいい加減な情報が命名から始まる数奇な運命を生み出すのですが、それは人の都合が支配する生活世界の出来事であって、やはり生物自体の知識とは同じではありません。人は自分の都合から独立した知識に遭遇すると、閃いたかのごとくに自然を垣間見るものです。言語的な追求、分析は命名の出発点に到達するとしても、真なる本性に触れることは原理的にできないのです。なぜなら、言葉は人の都合でできたものだからです。謂い回しを巧みに使ってもっともらしく説明することは、動植物の命名とその由来が象徴的に示しているように、基本的に落語のようなもので、それがもつ効力は人の生き方に対してであって、語られる自然やその中の対象の本性ではありません。
