昨日ムクゲについて述べました。最近は庭木や公園木だけでなく、歩道の並木にもされ、よく見かけます。今年も花が咲き出していますが、「ムクゲ」の花と、「タチアオイ」、「フヨウ」の花との区別がなかなかつかず、不思議な気持ちになります。ムクゲの花が好きな私には似た花が他にもあって有難いことなのですが…
植物全体を見れば、その違いは一目瞭然で、「ムクゲ」はインド、中国の原産の落葉樹で、「タチアオイ」はアオイ科の一年草で、宿根草です。フヨウも他の二つとはその姿恰好はまるで違います。ところが、花だけ見るとなかなか区別がつかないのです、少なくとも私には。「ムクゲ」は、韓国の国花で、茶室の生け花に使われることが多い植物。「侘び、寂び」の世界に合うのに、南国の花であるハイビスカスと同じ仲間です。
一方、「タチアオイ」という和名は、その立ち上がるように伸びる茎に由来しています。家紋に使われる「葵」はウマノスズクサ科のフタバアオイの葉をデザインしたものです。ムクゲ、フヨウ、タチアオイは いづれもアオイ科の花なので、よく似ています。アオイ科の花には上記のハイビスカス、ハマボウ、オオハマボウ、モミジアオイなどがあります。
タチアオイは天に向かってすっくと立ち、花は小さめです。ヒゲのような細いメシベが遅れて顔を出します。ムクゲは縦に伸びますが、茂る感じがあります。メシベの先端はほとんど真直ぐです。フヨウはタチアオイ、ムクゲに比べて花が大きく、横に枝を広げ、メシベの先端が曲がっています。タチアオイ、ムクゲ、フヨウの順に花が咲き出します。私の周辺では既にタチアオイ、ムクゲは咲いていますが、フヨウはまだ咲いていません。
バラが好きでも棘は嫌いというのに似て、ムクゲ、タチアオイ、フヨウの花は好きでも、それら植物全体が丸ごと好きということはなく、そこに好き嫌いの差が出てきます。でも、花だけの評価となると、甲乙つけ難しといったところです。