タチアオイの花

 タチアオイ立葵、ホリホック)は、まっすぐに伸びる姿から命名された。2mほどに伸びる長い茎に、花を穂状につける。梅雨入りごろ、花穂の下から咲き始めて順々に咲き上がり、花が終わる頃に梅雨が明けるというのがこれまでの常識。今年は既にタチアオイの花が咲き出していて、夏を感じ始めている。

 タチアオイには多数の園芸品種があり、花形も一重から八重まで盛りだくさんで、ピンク、黄色、濃い紫色などの花はハイビスカスに似ているが、アジア原産のためか、どことなく和の雰囲気が漂う。タチアオイは毎日、次々と新しい花を咲かせ、2ヵ月近く咲き続ける。

 タチアオイ平安時代に「唐葵」と呼ばれ、江戸時代に今の「立葵」になった。「葵祭り(あおいまつり)」の「葵」はこの「立葵」ではなく、徳川家の紋所である「双葉葵」のこと。アオイ科フヨウ属にはフヨウ、ハイビスカス、ムクゲケナフハマボウモミジアオイなどが含まれ、どの花もよく似ていて、どれも夏を連想させる。