夏至の花:ムクゲ

f:id:huukyou:20180622045245j:plain

 昨日は夏至。午後7時頃には夕焼けが見えた。私にとって夏至の花はヒマワリなどではなく、ムクゲ木槿)。ムクゲをいつどこで知ったかはっきり憶えていないのだが、ムクゲが私を惹きつけた記憶が刻まれている。普通なら私が勝手に花に惹きつけられるのだが、ムクゲが私を有無を言わせず惹きつけた、というのが私の記憶の印象なのである。画像のような白の一重花に中心が赤い底紅種は、千宗旦が好んだことから、「宗丹木槿(そうたんむくげ)」とも呼ばれる。木槿は「一日花」と言われ、人の世の栄華を「槿花一朝の夢」とその虚しさを表現する。だが、次々に別の花が咲くので、実際は長く楽しめる。

f:id:huukyou:20180622045321j:plain

f:id:huukyou:20180622045342j:plain

 雨はれて 心すがしく なりにけり 窓より見ゆる 白木槿のはな 斎藤茂吉
 (白木槿は下の画像参照)

f:id:huukyou:20180622045403j:plain

 生物種としてのムクゲはもっと決まり切った謂い回しで表現され、私の記憶や経験などムクゲにとっては何の意味ももたない。だが、私の生活の中ではムクゲは特別の生き物として私の意識の中に確固たる地位を占めて存在している。さて、二つのムクゲはどのような関係で結ばれていることやら。