コムラサキとシロミノコムラサキの実

 蝶ではなく、植物のコムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。北海道と青森を除く日本各地の山野に分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部に因んで名付けられた。ムラサキシキブは樹高が3mにもなる「木」という印象だが、コムラサキは樹高が1.5m程度に収まり、より広く親しまれてきた。

 コムラサキは「小紫」の名の通り、紫色の実をつけるが、その紫色は青みの勝った「江戸紫」である。花より実の方が圧倒的に目立ち、「愛でるのは花ではなく、実である」のがコムラサキ。シロミノコムラサキ(白実の小紫)はそのコムラサキの白花品種。名前の通り、実が白色である。コムラサキとシロミノコムラサキの両方とも湾岸地域のあちこちに植えられていて、今たくさんの実をつけている。