2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ニラの花

画像は「野生化したニラの花」です。子供の頃、家の裏の畑の端に一群のニラが半ば野生化した状態で生育していて、夏にはそれがニラと溶き玉子の味噌汁になっていたのを思い出します。でも、そのニラがどんな花をつけていたかはまるで憶えていません。画像の…

ナミアゲハの自由意志の確率(?)

古代人なら植物の心は普通の存在だったかも知れませんが、今の私たちは植物に心があるとは思っていないだけでなく、ペットを除く多くの動物についても心を認めないでしょう。哲学の世界では人にさえ心を認めない思想が市民権を得ています。 ナミアゲハの行動…

コリウスの花:補足

昨日コリウスは葉を観賞する植物だと述べたのですが、画像の葉は余り印象的ではありませんでした。コリウスは夏にシソ(紫蘇)の花に似た青い小花を咲かせますが、何より人目を引くのはその葉の色合いです。コリウスの葉は対生で、楕円形の葉は紫色、赤色、…

ケイトウの花

ケイトウ (鶏頭、鶏冠)はヒユ科の一年生植物。ケイトウの花に見える部分は花ではなく、隠れて小さい花がついています。アジサイやカラーなどと並んで、ケイトウの花もその「隠れ花」タイプです。 原産地はアジア、アフリカの熱帯地方で、日本には奈良時代…

タマスダレの花

タマスダレ(玉簾)はヒガンバナ科の球根草。和名は白い小さな花を「玉」に、葉が集まっている様子を「簾」に例えたことに由来する。別名のレインリリー(雨ユリ)。 タマスダレは夏から初秋に1本の花茎に花を1つだけ咲かせる(画像)。タマスダレの花は直径…

コリウスの花

コリウス(Coleus、和名は錦紫蘇、金襴紫蘇)は葉色や模様がカラフルで変化に富んだ観葉植物で、シソ科コリウス属の非耐寒性一年草です。コリウスは葉を観賞する植物ですが、観賞期間は春~晩秋までと随分長いのが特徴です。コリウスは夏にシソ(紫蘇)の花…

自力と他力、そして自由意志(3)

原始仏教から大乗仏教への歴史的変化は自力から他力へのパラダイムシフト。キリスト教の宗教改革は個人の自由意志の肯定から否定へのパラダイムシフト。このように表現すると、共通した歴史的変化のように映ります。実際、戦争まで引き起こしたこれらシフト…

秋空

空に季節があるのかどうかはややこしい問題で、空だけ見ていたのではいつの空かはわからない場合が多い。それでも、私たちは空にも季節があると思っている。季節のある空を表現するには小道具が不可欠で、大抵は植物や動物がその役割を担ってきた。例えば、…

ベニニガナの花

ベニニガナ(紅苦菜)はキク科の栽培種で、中国南部からインド東部が原産です。別名はカカリア、エメリア、あるいはエフデギク(絵筆菊)。園芸名のカカリア、エメリアで呼ばれる方が多いようです。開花は8月から10月で、オレンジ色または橙紅色の管状花が…

自力と他力、そして自由意志(2):ニーチェの場合

キリスト教的な価値観が長く支配したヨーロッパ社会ではキリスト教の神の意にかなうことが善で、それにそむくことが悪でした。人間は強者に対する弱者の妬みや嫉み(ルサンチマン=憤り、怨恨、憎悪)をいつも生み出します。そして、強者に対する弱者の不平…

セイヨウニンジンボクの二度咲き

9月に入り、セイヨウニンジンボクの花がまた咲き出した。二度咲き(返り咲き)である。シソ科ハマゴウ属のセイヨウニンジンボクはハマゴウより魅力的な花をつける。原産地は南ヨーロッパから中央アジアで、花は淡い青から紫色の優しい色合いをもつ(画像)…

アメリカフウの実

アメリカフウはフウ科の落葉高木で、葉が五つに裂けてモミジのように見えるため、モミジバフウ(紅葉葉楓)とも呼ばれる。北アメリカ中南部及び中米が原産地で、湾岸地域では公園や街路に使われているが、ドイツでは有数の公園樹となっている。日本へ渡来し…

自力と他力、そして自由意志(1)

(これまで「ふるさとを穿る」というタイトルで、妙高と異安心を中心に話してきましたが、現在の考えをタイトルの中の「自力、他力、自由意志」の三概念を中心に見直してみます。) 仏教は自力からスタートしましたから、わざわざ「自力」という言葉を強調す…

オキザリスとムラサキゴテンの花と葉

オキザリス・トライアングラリス(Oxalis triangularis)はブラジル原産のカタバミ科の栽培種で、葉色が濃紫色、葉形が三角形をしています。別名はムラサキノマイ(紫の舞)、インカノカタバミなどで、開花期は6月~10月。ムラサキゴテン(紫御殿、Tradescanti…

スイフヨウの花の色変化

キク科のヤグルマギク(矢車菊)はヨーロッパ原産の雑草でしたが、園芸用に改良され、原種の濃青色から、紫、白、桃色などの色変化の品種が作られました。一方、スイフヨウの色変化は様々な色を持つ花弁ではなく、一つの花弁の色が時刻に応じて変化するもの…

夏の空

わた雲、堅苦しくは積雲がいっぱいに広がる湾岸地域からの都心の空。老人になっても空ではなく、その下のビルを見てしまう。情けないことに、人工的なものについ眼がいってしまうのだ。その人工的なものと言えば、325mの麻布台ヒルズ森JPタワーがやはり高い…

ふるさとを穿る(9):現在の異安心の一例

ニーチェが「神は死んだ」と叫んだ遥か以前に、神仏を否定し、自ら解脱を目指したのがブッダ。私のような凡人には理解しがたい決断、行為で、禁煙やダイエットで四苦八苦する私たちには到底到達できない目標です。極めてストイックな自己管理と座禅による心…

シダレエンジュの花と実

シダレエンジュ(枝垂槐)はマメ科クララ属の落葉高木。別名はリュウノツメエンジュ(竜爪槐)で、これは剪定の仕方によって竜の爪のように見えるからです。中国では庭木として珍重され、古来より出世の樹木として植える風習がありました。シダレエンジュは…

今朝は見事な朝焼け!

朝焼けも夕焼けも太陽からの光によって空が赤くなる現象で、その仕組みは同じ。ですから、朝焼けは青で、夕焼けは赤などとはなりません。 昼間は真上から太陽の光が当たるので、屈折による光の散乱は少しだけで、昼間の光は白に近い黄色になります。でも、朝…

ふるさとを穿る(8):知識帰命は異安心か、それとも安心か?

浄土真宗では異端を「異安心(いあんじん)」と呼び、それについて既に何度も述べてきました。代表例に十劫安心(じっこうあんじん、阿弥陀仏が十劫の昔、本願をたてたときに、既に私たちは助かっている。だから、誰でも死んだら成仏できる)があります。 そ…

ふるさとを穿る(7):三業惑乱(2)

驚いた本願寺は即刻この書物を発禁処分にします。しかし、すでに700部が全国に送られた後でした。全国各地から多くの人が京都の本願寺へ詰めかけたのですが、法主の対応は不適切なもので、三業惑乱は論争から暴動へと変わっていきます。 やがて、1802年美濃…

ルリマツリとハリマツリの花

何とも涼しげなブルーが特徴なのが南アフリカ原産のルリマツリ(瑠璃茉莉)で、学名のプルンバゴで呼ばれる場合もあります。ルリマツリの背丈は30㎝から1mを越え、半つる性です。花は初夏から晩秋まで長期間にわたって開花します。寒さにも強く、東京でも戸…

ふるさとを穿る(6):三業惑乱(1)

寛文年間(1661‐1673)に既述の小児成仏の記録があり、当時の学匠の意見は「往生可能説」と「往生不可能説」に二分されていました。この論争の中、第四代能化(本願寺派の宗学を統率する職)法霖(ほうりん)は、「小児の往生は不定と知るべし。不定とは往生…

クコの花と実

クコ(枸杞、Lycium chinense)は東アジア原産のナス科の落葉低木。夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋に赤い実をつけます(画像)。今年は小さな薄紫色の花を見ることができました(赤い実は昨年11月のもの)。クコは有用植物で、食用や薬用に利用さ…

ふるさとを穿る(5):余談

異安心の論争はまだ続くのですが、余談として、異安心や異端は現在でもなくなることはなく、キリスト教や仏教では今でも教義に関する主要な問題になっていることを述べておきます。ですから、小児往生や三業惑乱は歴史的な問題であると同時に、今でも問題で…

ふるさとを穿る(4):『歎異抄』と異安心

「異端」となれば、ガリレオの異端審問を思い出す人が多い筈です。浄土真宗では異端を「異安心(いあんじん)」と呼んできました。その異安心の歴史を遡れば、親鸞の教えに反する考えを嘆き、憂い、正す『歎異抄』に到達します。鎌倉時代後期に書かれた『歎…

スイフヨウの粋な花

中国中部原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)という意味ですが、その園芸品種がスイフヨウ(酔芙蓉)。スイフヨウは花色の変化がより強調されていて、一日の中で色が変わって行きます。開花直後は白色…

ふるさとを穿る(3)

死後に極楽往生するには、一心に仏を想い、念仏する以外に方法はないと説き、浄土教の基礎をつくったのが源信の『往生要集』。源信が考える念仏には観想するための仏と、救済するための仏が併存したままでした。それが止揚され、総合された結果として、浄土…

ふるさとを穿る(2)

異端審問(Inquisitio)は中世以降のカトリック教会で正統な信仰に反するという疑いを受けた者を裁判するために設けられました。異端審問を行うのが「異端審問所」。中世初期の異端審問、スペイン異端審問、ローマの異端審問の三つに大別でき、それぞれが異…

マメアサガオの花

去年初めて見つけたのがマメアサガオで、今年もまた見ることができた。マメアサガオは北アメリカ原産の1年草で、1955年に東京近郊での帰化が報告され、現在では関東地方以西で道ばたなどに見られるそうだが、私は去年まで見たことがなかった。花が随分小さく…