クコの花と実

 クコ(枸杞、Lycium chinense)は東アジア原産のナス科の落葉低木。夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋に赤い実をつけます(画像)。今年は小さな薄紫色の花を見ることができました(赤い実は昨年11月のもの)。クコは有用植物で、食用や薬用に利用されます。クコの実は熟しても、自然に落ちることが少なく、長い間木の上に残ります(翌年の花期に熟すため、花と実が一緒にできるように見える)。

 クコは漢方の要薬として知られ、三世紀の中国最古の医学書『神農本草経』に登場する有用な薬用植物。葉は「枸杞葉」、実は「枸杞子」、根の皮は「地骨皮(ちこっぴ)」と呼ばれ、滋養強壮や消炎、利尿、高血圧に利用されてきました。また、実は薬用酒や枸杞飯などの薬膳料理に利用されています。